預金差押えより給与差押えが向いているケース
最終更新日:2026-09-03執筆:弁護士 武中 裕貴(第一東京弁護士会)
結論
法定養育費のように毎月発生し続ける債権については、給与差押えが中心になります。預金差押えは、既に支払期限を過ぎた未払分をまとめて回収する場面に向いています。
二つの手続の違い
預金差押え
差押命令が銀行に届いた時点で口座にある残高が対象です。残高がなければ回収できず(空振り)、翌月以降の入金は別の申立てをしない限り対象になりません。一度きりの回収になりやすい手続です。
給与差押え
勤務先が相手方に支払う給与が対象です。将来の各月分についても効力が及び得るため、毎月あらためて申立てをしなくても、支払期の到来に応じて継続的に回収できる可能性があります。
給与差押えが向いている場合
- 相手方が会社員で、勤務先が分かっている
- 毎月の支払いを継続的に確保したい
- 未払分だけでなく、これから発生する分も対象にしたい
預金差押えを検討する場合
- 既に多額の未払分がたまっており、まとめて回収したい
- 相手方の口座と残高について、ある程度の見込みがある
両方を組み合わせることも考えられますが、費用と見込みのバランスを検討する必要があります。
注意点
- 給与差押えでも、将来分が一括で支払われるわけではありません。各月の支払期の到来後に回収します。
- 給与のうち差し押さえられる範囲には、法律上の制限があります。
- 相手方が退職した場合、その勤務先からの回収は続けられなくなります。
- 先行する他の差押えがある場合、回収額が制限されることがあります。
次に確認すること
あらかじめご確認ください
- 回収を保証するものではありません。相手方の在籍状況、給与額、他の差押えの有無、退職、支払能力に関する争いなどにより、回収できない場合や回収額が限られる場合があります。
- 給与差押えは、将来分を直ちに一括で受け取る制度ではありません。原則として、毎月の法定養育費の支払期が到来した後に、勤務先から支払われる給与を通じて回収します。
- 掲載内容は作成時点の法令及び裁判所の運用に基づくものであり、今後変更される可能性があります。