本文へスキップ
法定養育費サポート法定養育費の給与差押え/養育費請求調停

相手方の勤務先が分からない場合の手続

最終更新日:2026-09-03執筆:弁護士 武中 裕貴第一東京弁護士会

結論

給与差押えは、相手方が給与を受け取っている勤務先に対して行う手続です。そのため、勤務先が分からない場合には、まず勤務先を特定するところから始める必要があります。定額プランは、勤務先が判明している方を対象としています。

「分かっている」といえる程度

必要なのは、登記された正確な法人名です。次のような場合は、そのままでは申立てできません。

  • 店舗名や屋号しか分からない
  • 「駅前の○○」のような通称しか分からない
  • 会社名は分かるが、同じ名称の法人が複数ありそうで特定できない
  • 数年前に勤めていた会社しか知らない

会社名の記憶があいまいでも、所在地や業種などの手がかりから特定できる場合があります。まずは分かる範囲でお知らせください。

分からない場合に検討できる手続

勤務先や財産が分からない場合、裁判所を通じて相手方の財産に関する情報を調べる手続を検討できます。主なものは次の2つです。

財産開示手続

相手方本人を裁判所に呼び出し、自分の財産について陳述させる手続です。

情報取得手続

相手方以外の第三者から、財産に関する情報を提供してもらう手続です。勤務先を知りたい場合は、市町村や年金機構等から給与に関する情報を取得する手続を利用します。このほか、銀行等から預貯金の情報を取得する手続もあります。

ここが法定養育費の大きな特徴です。 通常、これらの手続を利用するには、公正証書や調停調書といった債務名義が必要です。しかし法定養育費は、子の監護の費用として一般の先取特権が認められているため、取決めの書面がなくても、先取特権を証する資料によって申し立てられる可能性があります

注意点

  • どの手続にも要件があります。既に行った執行で完全な弁済を得られなかったこと、又は分かっている財産に対して手続をしても完全な弁済を得られないと見込まれることを示す必要があります。
  • 給与に関する情報を取得する手続は、先に財産開示手続を行っていることが必要です。そのため、勤務先を特定する流れでは、2つの手続を順に申し立てることになります。預貯金に関する情報の取得には、この前置は必要ありません。
  • これらの手続は給与差押えの着手金には含まれません。手続ごとに定額の着手金を申し受けます。金額は料金のページに記載しています。
  • 相手方が自営業や業務委託で働いている場合、給与差押えの対象になりません。別の財産への執行を検討することになります。
  • 転職の可能性が高い場合、差押えの効果が短期間で失われることがあります。
  • 勤務先を特定できたとしても、給与額や先行する他の差押えによって、実際に回収できる金額は変わります。

次に確認すること

勤務先の把握状況を含めた対象確認は、対象者診断でご確認いただけます。定額プランの範囲は給与差押えサービスのページをご覧ください。

あらかじめご確認ください

  • 回収を保証するものではありません。相手方の在籍状況、給与額、他の差押えの有無、退職、支払能力に関する争いなどにより、回収できない場合や回収額が限られる場合があります。
  • 給与差押えは、将来分を直ちに一括で受け取る制度ではありません。原則として、毎月の法定養育費の支払期が到来した後に、勤務先から支払われる給与を通じて回収します。
  • 掲載内容は作成時点の法令及び裁判所の運用に基づくものであり、今後変更される可能性があります。

対象になるかを確認できます

いくつかの質問にお答えいただくと、法定養育費・給与差押えの標準プランの対象となる可能性を確認できます。ご回答は送信されません。

解説記事の一覧に戻る

2分で対象になるか確認する